桜文論叢

日本大学法学部には,さまざまな人文科学の研究者が所属しています。語学や文学,歴史学などをはじめ,さまざまな分野の研究成果を横断的にまとめた論文集が,この『桜文論叢』です。年2回発行しています。法学部の本館,2号館,5号館,10号館,図書館で配布しています。本件に関するお問合せは,研究事務課までご連絡ください。

第96巻(2018年2月発行)
長沼宗昭先生 古稀記念号

咸豊年間,「新疆」における大銭の鋳造について
─ 天理図書館所蔵「伊犂奏摺稿」の分析をとおして─
加藤 直人
全ロシア相互扶助会大会プランから第1 回全ロシア労働組合協議会へ
─ 第一次革命期における労働組合生成の起源と系譜およびリーダーシップに関する若干の考察─
土屋 好古
古代朝鮮の律令研究と考古学的方法 山本 孝文
第一次世界大戦100年期のメモリアル研究 森 ありさ
宋代列状小考
─ 祠廟の賜額・賜号の申請を中心に─
須江 隆
三人委員終焉期の表象と政治
─ 表象利用と二人の「カエサル」─
山本 興一郎
20世紀転換期ルーマニアにおける農民反乱(1907年)
─ 反乱初期のボトシャニ県を中心に─
髙草木 邦人
中世フランス貴族による騎士理念形成の一形態
─ 宮廷と騎士道文学の検討を中心に─
林 亮
第一次世界大戦と「戦争文化(Kriegskultur/culture de guerre)」論の射程 鍋谷 郁太郎
ダライラマ13世によるモンゴル仏教界の綱紀粛正とその意義について 石濱 裕美子
19世紀ドイツのバーデン自由主義
─ フリードリヒ大公とバーデン立憲制─
水戸部 由枝
モンゴル帝国の宮廷のケシクテンとチンギス・カンの中央の千戸 宇野 伸浩
1660年のイスタンブル大火とユダヤ教徒コミュニティ 澤井 一彰
日英語のモダリティとEvidentiality / Mirativity
─「体験」・〈自己のゼロ化〉の観点から─
黒滝 真理子
連立政権研究と政党政治 岩崎 正洋
事業承継の観点からみた相続法改正 松嶋 隆弘
繊細の精神と感性について 大熊 圭子
統語的複合動詞と使役文の獲得
─ コーパス分析による考察─
岡部 玲子
自由意思による選択と法システム
─ パターナリズムとしてのドイツElternzeit ? ─
松島 雪江
統計モデルを通じて何を知るべきか
─ ロジスティック回帰モデルの係数解釈をめぐって─
常松 淳
ドゥルーズ『差異と反復』,『意味の論理学』における死について 吉澤 保
Yeats’s Unfulfi lled Love and Resulting Dialectic of Identity in His Middle Period Hiroki Matsuyama
総力戦下のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
─ 1943/44年のシーズンにおけるクレメンス・クラウスとカール・ベームの指揮によるラジオ放送番組に関する研究─
佐藤 英
初期フォイエルバッハのルター論
─ 宗教的人間の「発生的─ 批判的」解読に寄せて─
川本 隆
19世紀中等教育におけるボワロー 畠山 達
公務員の争議禁止と「全体の奉仕者」 赤坂 正浩
ニューイングランドにおける住民総会制度の思想と展開
─ わが国の動向を踏まえて─
外山 公美
宍戸真澂の歌集『間荒加多満』について 小野 美典
技術と存在
─ ハイデガー「技術への問い」を問う─
岡山 敬二
群馬県の地方創生
─ 吾妻地域を中心として─
山田 光矢
長崎聞役成立以前の商人 木村 直樹
広田内閣期の前田米蔵 古川 隆久
武家」とは何であったか
─ 近世のなかの中世─
関 幸彦
一九三〇年代の地方都市博覧会
─ 旭川市・日満興産博覧会を事例として─
大岡 聡

第95巻(2017年9月発行)

1942/43年のシーズンにおけるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のラジオ放送番組 佐藤 英
人間とは何か?
─ オーギュスト・コントにおける哲学と社会学 ─
ジュリエット・グランジュ
吉澤 保 訳
〔資料紹介・翻刻〕
宍戸真澂『にほのうきす』・福原元僴『緑浜詠草』
─ 禁門の変に関与した長州藩士の歌集 ─
小野 美典

第94巻(2017年3月発行)

リーニュ公とエカテリーナ二世 玉井 通和
《ヨセフとその兄弟》試論(Ⅳ)
─ファラオの邸におけるヨセフ─
丹羽 正信
〔資料紹介・翻刻〕
近藤芳樹『舐蘇小言』・山口牧牛会社『牧牛贅言』
─附『牛乳考(明治五年版)』─
小野 美典
坂口安吾「道鏡」論──継承の力学をめぐって 宮澤 隆義

第93巻(2017年3月発行)
玉井通和先生・渡部宣裕先生 古稀記念号

道徳性の経験科学とトローリー実験 常松 淳
「アジア雑誌」(Journal asiatique)
─19世紀フランスにおける日本研究の黎明期
中村 圭子
Investigating Attitudinal Change Arising from a Content and Language Integrated Learning (CLIL) History Curriculum in Japan Thomas Lockley
Simon Cooke
The Oedipal Aestheticism of Yeats and Joyce Hiroki Matsuyama
フランソワ・ボードワン(1520-73)
─ 歴史と法学の結合─
志々見 剛
La Bible de l’humanité de Jules Michelet
─ Celle de tout le genre humain ? ─
Yasuko ESHIMA
成年後見における本人の意思決定
─「“ 民” 法と心理学」序説も兼ねて─
清水 恵介
中野区のスポーツを通じた健康政策と施設利用料
─ 東京都弓道連盟第三地区内「八区」の比較を中心として─
山田 光矢
大学生の感情特性と心理的自立が学習意欲に及ぼす影響
─ 習慣的スポーツ活動の関与を想定して─
水落 文夫
田中 輝海
金野 潤
竹内 雅明
菅野 慎太郎
佐藤 秀明
サッカーにおけるスモールサイドゲームに関する研究
─ ポジション別プレー現象の相違について─
坂本 宗司
競技スポーツの参加動機について
─ 高校生競技者を対象にして─
高橋 理恵
対話を生む演技
─ 劇場文化における感情と〝リアル〟─
児玉 直起
近藤芳樹『牛乳考』について─『寄居歌談』から『舐蘇小言』『牛乳考』へ、そしてその執筆意図─ 小野 美典

第92巻(2016年10月発行)

1942 年ザルツブルク音楽祭とラジオ放送 佐藤 英
Japanese Culture in Translation:A Case Study of Three Novels Anthony Tobin
  萬 清華

第91巻(2016年2月発行)
ジョン・B・パワー先生 古稀記念号

Nature and the West in the Zen World of Stephen Crane Jonathan Wood
Shadowing with Natural and Slow Materials:The Effect on Intonational Boundaries Harumi Ota
指向性の観点からみた日英語のモダリティ 黒滝 真理子
子どもによる「自分」の獲得
─ 言語刺激と言語知識のあいだ ─
岡部 玲子
The Story of Yasuke: Nobunaga’s African Retainer Thomas Lockley
Distorted Perception of English-language Modernism through Joycean Novels Hiroki Matsuyama
短編小説「ハリスお祖母さん」におけるウィラ・キャザーの視座 堀 千和子
メタフィクションの不可能性
─ 志賀直哉「小僧の神様」について ─
諸坂 成利
転覆のアレゴリー
─ 大岡昇平「一寸法師後日譚」論 ─
宮澤 隆義
《養う人ヨセフ》におけるタマル 丹羽 正信
ユゴーからバダンテールへ
─ その継承のかたち ─
江島 泰子明
日本語辞書表示不可 于 暁飛
「是~的」文型文末の「的」の性質について 栗原 千里
人間科学における法
─ 大学の教養教育における心理学教育の可能性 ─
和田万紀 清水恵介
壽福隆人 厳島行雄
辻 忠博 田中堅一郎
伊坂裕子 佐藤秀明
伊藤令枝
自由意思観をどのように操作するか 常松 淳
「回復から変革へ ジャニス・ミリキタニとサンフランシスコ・グライド・コミュニティ」 高田 宣子
Promoting Communication in English among University Students in Japan Hideyuki Kumaki
ナチス・ドイツ時代のクレメンス・クラウスとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 佐藤 英
リーニュ公と革命 玉井 通和
劇場文化の生命
─ 舞台と観客のあいだ ─
児玉 直起

第90巻(2015年10月発行)

幻想の領土
─ 大岡昇平『ハムレット日記』論 ─
宮澤 隆義
シャルル・ド・ブルグヴィルによるフリギアのダレス仏訳(1572)
─ トロイ戦争の歴史的考察と,ジャン・ルメール・ド・ベルジュ『ガリアの栄光とトロイの驚異』批判 ─
志々見 剛
科学データからの往路と復路 常松 淳
语言分析方法
─ 中国语言学基础理论研究中语言分析的基本单位及其理论 ─
萬 清華
『類題和歌月波集』の政治的傾向
─ 雑部の歌題と歌の考察 ─
小野 美典

第89巻(2015年3月発行)
安藤忠先生 池田勝徳先生 丹羽正信先生 古稀記念号

非教員養成系大学の教職課程における心理学教育の意義 和田 万紀
マクシムからモラルへ
─村上春樹の短篇小説について─
松田 和夫
ニーズ・アナリシスに基づく教授法が大学生の英語力・学習動機・国際性に与える影響
太田 晴美
H.v. クライストの作品における矛盾の構造 渡辺 徳夫
1780年代の軍人リーニュ公 玉井 通和
「是…的」構文の特徴と意味 栗原 千里
「芸亭院」再考
─教育現象のバランスからの検討─
壽福 隆人
湖南省の書院
─湖南省衡陽県の石鼓書院─
高橋 良政
日本のラジオ放送におけるリヒャルト・ヴァーグナー
─1927年から1936年までの番組に関する検証─
佐藤 英
トラブル経験における格差 常松 淳
单语
─中国语言学基础理论研究中的中国语的形态及其语法体系─
萬 清華
「つけたま□らん」考
付蓬左本『水鏡』傍訓総索引
小久保 崇明

第88巻(2015年1月発行)

リーニュ公の『七年戦争従軍日記』について 
─ 1760 年から1762 年へ ─
玉井 通和
「放送歌劇」の興隆と「ヴォーカル・フォア」の結成
─ 1927 年のJOAK におけるオペラ放送 ─
佐藤 英
視覚刺激が重心動揺に及ぼす影響 
─ 学生競技者と一般学生との比較 ─
佐藤 秀明
当たり阿弥陀くじの分布 髙橋 徹

第87巻(2014年10月発行)日本大学法学部 創設125周年記念号

大学の教養教育としての心理学教育の可能性和田 万紀
Anthony Trollope’s Views on the Great Irish Famine John Power
《新しさ》と《パラドクス》
─ 村上春樹『色彩を持たない多崎つくると,彼の巡礼の年』について─
松田 和夫
日英語のモダリティ観と事態把握
─ 認知言語学的観点から─
黒滝 真理子
エドガー・ポオ「盗まれた手紙」における誤訳から
─ Prudence についての一考察─
諸坂 成利
『嵐が丘』の地獄の愛の黙示録
─ 心の牢獄を生きる,死ぬために生きる生存の構造─
安藤 重和
リーニュ公の『七年戦争従軍日記』について
─ 1758年から1759年へ─
玉井 通和
神経科学の社会的インパクトをどう捉えるか
─ 理論的検討と経験的研究─
常松 淳
日本のラジオ放送におけるヴェーバーのオペラ《魔弾の射手》
─ 1928年と1940年の番組の文化史的背景─
佐藤 英
「肉」から他者へ
─ メルロ= ポンティからフッサールへ─
岡山 敬二

第86巻(2014年2月発行)

A Reappraisal of Wuthering Heights 安藤 重和
Deux prêtres de minuit
─ L’Ensorcelée et « L’Intersigne » ─
江島 泰子
「リーニュ公とその世界」
軍人としてのリーニュ公(1)
玉井 通和
《ヨセフとその兄弟》における女性(Ⅱ)
─ ムト・エム・エネト ─
丹羽 正信
鄭樵による分類批難 高橋 良政
「放送歌劇」の開始
─ 1927年の日本のオペラ番組に関する考察 ─
佐藤 英
句单位 萬 清華
大学生の生活習慣とメンタルヘルスの関係についての研究
─ 運動実施とメンタルヘルスについて ─
佐藤 秀明
渡部 宣裕

第85巻(2013年9月発行)

Wuthering Heights ─ The Apocalypse in the Inferno of Love ─ ─ 地獄の愛の黙示録 ─( 2 ) 安藤 重和
Stephen Crane’s Irony, Zen, and Little MenJonathan Wood
数式処理能力の教育について 髙橋 徹
Teaching English as a Global Language
─ Pedagogical Issues in a Japanese University Context ─
太田 晴美
ボードレールの「吸血鬼の変身」におけるレトリック 畠山 達
1925~1926年にかけてのJOAK におけるオペラ関連番組 佐藤 英
キャリアガイダンス義務化に伴う大学のキャリア教育の展望(下)
野々村 新 安藤 忠
和田 万紀 壽福 隆人
小野 美典 岡部 玲子
『大鏡』の擬声語をめぐって 小久保 崇明
内在と原初の哲学
― 他者不在の背理について(フッサールのばあい)―
岡山 敬二

第84巻(2013年3月発行)

Wuthering Heights
―The Apocalypse in the Inferno of Love―
安藤 重和
個別と普遍(1)
―カフカ『ある犬の研究』はどう読まれてきたか―
松田 和夫
Le prêtre "rousseauiste"
―quelques reflets du rousseauisme religieux au 19e siècle―
江島 泰子
「是…的」構文と已然義と関係について 栗原 千里
ネイピアによる2進法算術の発明 高橋 徹
ファジィ論理における問題点
―相補性の観点から―
大熊 圭子
声调描写 萬 清華
キャリアガイダンス義務化に伴う大学のキャリア教育の展望(上) 野々村 新 安藤 忠
和田 万紀 壽福 隆人
小野 美典 岡部 玲子
〔資料紹介・翻刻〕 近藤芳樹著『一君一民弁』 小野 美典
『大鏡』の注釈二題(3) 小久保 崇明
事実と本質の間で
―開かれた知としての現象学―
岡山 敬二